「チューナーを使って合わせているのに、ギターの音が合わない…」
「もっと響きを良くするにはどうすればいいの?」
何度もチューニングをしているのに、弾いてみると音が合わなくて気持ち悪いという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
ニワっち
ある程度音を合わせたら、自分の耳でも微調整をする必要があります。
もちろん、ギター本体に問題があることも一つの原因です。
今回は、ギターのチューニングが合わない理由や、チューニングの合わせ方、調節方法について紹介します。
正しいチューニング方法やギターの仕組みを理解して、気持ちの良い音を鳴らせるようにしましょう。
1.ギターチューニングが合わない原因と対策・本体編
「何回合わせても、チューニングが狂ってしまう…」
チューニングが合わなかったり、演奏中に狂ったりする原因はさまざまです。
そこでまず始めに、ギター本体が原因でチューニングが合わないケースについて紹介します。
主な原因は、以下の9つです。
- 古い弦を使っている
- 弦の巻き方に問題がある
- ナットが消耗している
- ペグがゆるくなっている
- ブリッジが劣化している
- オクターブ調整が合っていない
- ネックが反っている
- テンションピンにも気を配る
- 安物のギターを使っている
ちゃんと合わせているのになぜか気持ち悪いと感じた場合には、上記のポイントに注意しましょう。
それぞれ詳しく説明します。
原因1.古い弦を使っている
まずは、弦が錆びきっていないかを確認しましょう。
ギター弦は消耗品です。仮にあまり錆びていなくても、長く使っていれば弦が伸びたり、ボールエンド部が劣化したりします。
明らかに消耗している場合には、弦を交換してください。
長持ちさせたいならエリクサーがおすすめ!
なるべく弦の消耗を抑えたいのであれば、エリクサー弦がおすすめです。
弦がポリマーコーティングされているため、手の汗や油分、汚れなどから守られています。
ケアしながら使っていれば、半年以上持たせることも可能です。
ニワっち
原因2.弦の巻き方に問題がある
弦の巻き方は、人それぞれ異なります。また、ギターの種類によってもさまざまです。
そのため、一概に「これが正解」とは言い切れないですが、明らかに良くない巻き方はあります。
- ペグに弦を巻き過ぎている
- 巻き方が足りなすぎる
- 巻いている弦が重なっている
最低限、上記に当てはまらない巻き方を心がけましょう。
一般的には、6弦から4弦は2〜3回巻き、3弦から1弦は3〜4回巻きが理想とされています。
原因3.ナットが消耗している
ナットとは、ギターヘッドと指板の間に挟まれている弦を支えるパーツです。
「ギターの心臓部」とも言われており、演奏や弦交換によって消耗します。
ナットが消耗していると、開放弦がびびったりチューニングがズレたりと、演奏に及ぼす影響はさまざま。
チューニング中にナットが「ピキッ」と鳴るのであれば、ケアをする必要があります。
弦交換の際には、ブラシで汚れを除去して、潤滑剤を使いましょう。
ナットをケアすることで、チューニングの安定性が増します。
それでも改善しないようであれば、ナット交換も検討してください。
原因4.ペグがゆるくなっている
ギターに取り付けられたペグ本体がゆるくなってぐらついていると、チューニングにも影響を及ぼします。
この場合、ドライバーでネジを締めれば解決できるので、試してみてください、
また、弦を巻くペグの歯車が消耗していると、ペグが回らなかったり、空回りしていたりします。
ニワっち
原因5.ブリッジが劣化している
ナットと同様に、ブリッジ部分の劣化もチューニングが合わない原因となります。
とくに、ストラトギターのようなシンクロタイプのブリッジは、サドルやオクターブスクリューなど、デリケートな部品が多く注意が必要です。
ホコリを取り除き、潤滑剤を使ってケアしましょう。
原因6.オクターブ調整が合っていない
ギターは、指板の12フレットがちょうどオクターブ上の音になっています。
つまり、開放弦を鳴らした音に対して、12フレット目の音はオクターブ上の同音ということです。
しかし、長くギターを使っていると、このオクターブも徐々にズレが生じてきます。
開放弦をチューナーで合わせても、12フレット目がズレていては気持ち悪いですよね。
エレキギターであれば、ブリッジのサドルのネジを回せば、オクターブ調整が可能です。
難しいと感じるのであれば、楽器屋さんに持っていって相談するといいでしょう。
ニワっち
原因7.ネックが反っている
ほとんどのエレキギターは、ネックが木で出てきています。
そのため、弦によって引っ張られたネックは張力によって曲がってしまうのです。
これを、「ネックが反る」といいます。
ネックが反ってしまうと、弦が押さえづらかったり、チューニングが合わないといったトラブルに繋がります。
ネック反りの調べ方
1フレットと最終フレットを押さえて、12フレット付近に僅かな隙間があれば理想的です。
およそ0.5mmが最適といわれています。
調節方法は、ネックについているトラスロッドを回して行いますが、初心者が扱うには難易度が高いです。
オクターブ調整と同様に、楽器屋さんに相談しましょう。
「どうしても自分でやりたい」という人は、YouTubeで調べながら自己責任で行ってください。
原因8.テンションピンの劣化
最後に、見落としがちなテンションピンを確認しましょう。
テンションピンは、ストラトタイプのようなギターヘッドに取り付けられている事が多いです。
その名の通り、弦をナットに押さえつけるテンションを加える役割があります。
これによって、弦がナットの溝から外れるのを防いでくれるのです。
こちらも、弦と接する部分に潤滑剤を塗ることで、より安定したチューニング効果が期待できます。
原因9.安物のギターを使っている
高いギターのほうが良い音が鳴るというのは、誰しもが想像できるかもしれません。
しかし、それ以上に重要なのは、ピッチ精度が良く仕上がっているということです。
極論を言えば、試奏したときにどのポジションで弾いてもピッチが安定しているギターであれば、普通に演奏する分には問題のないギターといえます。
初心者であまり詳しくないのであれば、「ピッチ感が最低限安定しているギターを探している」と、店員さんに相談してみると良いかもしれません。
2.ギターチューニングが合わない原因と対策・本質編
「ギター本体の調整はしたはずなのに、それでもチューニングが気になる…」
このような場合には、弦の押さえ方や、ギターの構造を把握できていない可能性が考えられます。
ここからは、この2点について紹介します。
(1)ギター弦を強く押さえすぎている
まずは技術面の問題点として、弦を押さえるときに力みすぎている可能性があります。
強く押さえてしまうと、弦が引っ張られる分ピッチが上がってしまうのです。
初心者の場合は、「コードを押さえるのに苦労して、やっと押さえられたのになぜか音が汚い…」
このような経験があるはずです。
何事にも共通して言えますが、慣れてくれば徐々に力を抜いて演奏できるようになってきます。
とくにギターのピッチに関しては、中級者でも自在に表現できている人は少ないでしょう。
少しずつギターの音に慣れて、綺麗に鳴らせるように練習することが重要です。
(2)ギターチューニングは完璧には合わない
そもそも、ギターのチューニングを完璧に合わせるのは不可能です。
ある程度ギターが弾ける人であれば、ハーモニクスで合わせる人もいますが、この方法でも全てのポジションの音程を完璧に合わせることはできません。
ここでまず知っておかなければいけないのが、「純正律と平均律」についてです。
ニワっち
完璧に合わせられるが、転調はできない。
どの音も、微妙なくるいがあるが、代償として転調ができる。
簡単にまとめると、純正律は濁りのない響きなのに対して、平均律は濁りのある響きということです。
ギターをチューナーで合わせた状態というのは、ここでいう平均律ということになります。
ギターの構造上、全てのポジションで完璧に音を合わせるのは不可能であるということだけ覚えておいてもらえれば大丈夫です。
正直、かなり微々たる違いではあるので、気になる人はYouTubeで検索して違いを確かめてみてください。
3.ギターチューニングを正しく合わせる方法とは?
ここからは、ギターチューニングの基礎的な話を少しだけ紹介します。
本体の調整、ギター弦の押さえ方、ギターの構造を理解していても、チューニングの合わせ方が間違っていては本末転倒です。
大まかに、以下の点には注意しましょう。
- チューニングは6弦から合わせる
- 低い音から徐々に上げて合わせる
- ピックアップはリアにする
- 音もよく聴いておく
それぞれ説明していきます。
その1.チューニングは6弦から合わせる
6弦は一番太く、ギターかかるテンションも一番大きいです。
そのため、ギター全体に影響がある6弦からチューニングして、他の弦への影響を減らしましょう。
その2.低い音から徐々に上げて合わせる
音を合わせるときは、必ず低い音から音程を上げて合わせてください。
高い音を下げて合わせてしまうと、緩めた弦が安定せず、演奏中にズレる原因となります。
低い音から弦を締めて(音を高くして)合わせるのが基本です。
その3.ピックアップはリアにする
エレキギターの場合、チューニング中のピックアップはリアに設定するのがおすすめです。
チューニングの妨げとなる周波数を最小限に抑えることができます。
その4.音もよく聴いておく
チューニング中は、目だけで合わせるのではなく、音もよく聴いておきましょう。
相対音感が鍛えられて、各弦の音程がある程度は把握できるようになるでしょう。
後々、自分の耳でチューニングを微調整する際にも必ず役立ちます。
4.個人的なギターチューニングの合わせ方
ニワっち
筆者の場合、よく使うコード感の響きも意識してチューニングを合わせています。
たとえば、チューナーを使ってチューニングを合わせてみたものの、「コードを鳴らしてみたら若干違和感がある」という経験はないでしょうか。
または、「Gコードはきれいなのに、Dコードは微妙…」といったように、コードによって納得いかない響きのときもありますよね。
これが、さきほど話していた「ギターは完璧にチューニングを合わせることができない」ということです。
つまり、ギターのチューニングは平均律によって合わせているということになります。
そこで、よく使うコード感に関しては、自分の耳でも微調整しているんです。
コードの響きによるチューニングの微調整方法
コードによって響きが気になる場合は、実際に鳴らしたポジションによる響きを確認できるようにしましょう。
ここでは、GコードとDコードを例に説明します。
Gコードの場合は、上記画像の同じ記号の部分が同音です。
まずは、この同音の響きが濁っていないかを調整します。
あくまで、明らかに気持ち悪くない程度に合わせるのがポイントです。
続いて、ここではDadd9コードで説明します。
押さえるポジションは、6弦5弦ミュートで、4弦開放、3弦2フレット、2弦3フレット、1弦開放ですね。
少し慣れも必要ですが、4弦開放と3弦2フレット、3弦2フレットと2弦3フレットは5度の関係なので、いわゆるパワーコードの響きになります。
このように、各弦の響きでも確認できれば、より正確にチューニングを合わせられるようになるでしょう。
ニワっち
【結論】チューニングに慣れたら振動を感じ取れるようになろう!
微妙に響きが気になる部分は、実際にコードを鳴らしたり、オクターブ奏法などで確認して、全体的にバランスの良い響きに自分の耳で揃えると良いでしょう。
コツとしては、音を振動でも感じてみることです。
チューニングに慣れてくると、音が合っていないときは音が震えている感覚を感じ取れるようになります。
次第に、3度の振動、5度の振動も何となく感じられるようになるはずです。
もちろん、バンドアンサンブルのときは自分だけに原因があるわけではないですが、明らかにズレている音を判断できるようになりましょう。
▼チューニングアプリを探している人は、こちらの記事もご参考ください。
ギター初心者におすすめ!スマホアプリ「GuitarTuna: ギターチューナー」の使い方
まとめ:ギターチューニングの仕組みを理解して良い音を鳴らそう
今回は、ギターのチューニングが合わない理由について、原因や改善策を踏まえて紹介しました。
ギターはどうしても不完全な構造になっているので、完璧にチューニングを合わせることは諦めてください。
しかし、ちょうどよい響きに合わせることは可能なので、少しずつ音の振動を感じ取れるように意識することが大事です。
チューナーだけに頼らず、自分の耳でギターの響きを調整できるようになりましょう。