扱いに慣れれば、安定したクリアな味わいのコーヒーが淹れられるサイフォン。
科学実験のような見た目もインパクトがあり、憧れる人も多いのではないでしょうか。
筆者は、HARIOコーヒーサイフォン テクニカを購入しました。
今回は、使い方やネルの交換、手入れ方法などを含めて紹介します。
サイフォンを使ってコーヒーを淹れてみたいと思っていた人は、ぜひご参考ください。
そもそもサイフォンコーヒーとは?
ロートの中でお湯とコーヒー粉を一定時間浸すため、慣れれば常に安定した味わいのコーヒーを抽出できます。
また、サイフォンは高温のお湯で抽出されるため、アツアツで香り高いコーヒーを楽しめることも特徴です。
サイフォンコーヒーとドリップコーヒーの違いは何?
ドリップコーヒーは、お湯をコーヒー粉に注いでそのまま抽出する「透過式」の抽出になります。
以下にて、もう少しわかりやすく説明してみました。
浸漬式 | 透過式 |
---|---|
・一定時間お湯にコーヒー粉を浸す方法。 ・飽和状態になるため、味がすっきり安定しやすい。 ・水出し、エアロプレスなどが挙げられる。 |
・コーヒー粉にお湯を通す方法。 ・飽和状態にならず、しっかりとした味わいを表現できる。 ・ペーパードリップ、ネルドリップなどが挙げられる。 |
すっきりまろやかなコーヒーを飲みたいときは、サイフォン(浸漬式)がおすすめです。
コクがあってしっかりしたコーヒーが飲みたいときは、ドリップコーヒー(透過式)といったように使い分けると良いでしょう。
HARIOコーヒーサイフォン テクニカ
筆者が購入したのは、HARIOコーヒーサイフォン テクニカ(3杯分)です。
箱を開けると、中身は下記画像のように収納されています。
さっそく取り出してみました。
上部のロートの中に、ネルがセットされたろ過器が入っています。
筆者は楽天市場で購入しましたが、竹べらとコーヒー粉もオマケで追加されていました。
また、各パーツは単体でも販売しているため、部品が壊れても補填が効きます。
内容の詳細は、以下のとおりです。
品番 | TCA-3 |
---|---|
製品サイズ | 幅 160 × 奥行 95 × 高 350mm |
容量 | 3杯用(360ml) |
重量(個箱含む) | 約1300g |
材質 | ガラスボール:耐熱ガラス フタ:ポリプロピレン フィルター一式:ステンレス ふうぼう:アルミニウム アルコールランプホルダー:ポリプロピレン スタンド:鉄・亜鉛合金・メラミン スタンドネジ:真鍮 |
原産国 | 日本製 |
引用:HARIO公式サイト
3杯分とはなっていますが、容量は360mlです。
ニワっち
「多めに飲める二杯分」くらいのイメージかもしれないですね。
【注意】アルコールは別売り!
サイフォンを使うには、別途アルコールを買わなければいけません。
消毒用のアルコールではなく、必ず「燃料用のアルコール」を購入しましょう。
基本的には、ドラッグストアで扱っています。
近くにドラッグストアがない人は、ネット購入がおすすめです。
【補足】竹べらも別途購入が必要
筆者は楽天市場で購入したのですが、専用竹べらとコーヒー粉がセットで付いてきました。
付属のスプーンでも混ぜれないことはないですが、専用竹べらも別途購入しておくことをおすすめします。
HARIOコーヒーサイフォン テクニカの使い方・洗い方
ここからは、HARIOコーヒーサイフォン テクニカの使い方を、以下の手順に分けて紹介します。
- 下準備
- 使い方
- 洗い方
扱い方を間違えると、いきなり破損してしまったり、思うように抽出できなかったりといったトラブルに繋がりかねません。
基本的な使い方を覚えて、いつでも安定したコーヒーを淹れられるようにしましょう。
1.サイフォン式コーヒー・下準備
まず始めに、ネルがセットされた「ろ過器」を、鍋で煮沸しましょう。
これは、新品のネルフィルターに付着している糊を落とすためです。
ネット上で紹介されている煮沸時間は5分〜20分とさまざまなので、最低5分以上は煮沸すると良いでしょう。
コーヒーカスと一緒に煮沸すると尚良し!
新品のネルは、コーヒーカスと一緒に煮沸することで、コーヒーの味がネルになじみやすくなります。
ただ筆者の場合、沸騰したお湯で浮き上がったコーヒーカスが、ろ過器の中にまで入ってしまったのが気になりました。
2回目以降は、上記写真のようにコーヒーカスを取り除いて煮沸しています。
ニワっち
2.サイフォン式コーヒー・使い方
ネルの煮沸が終わったら、サイフォンを使ってコーヒーの抽出ができます。
新品の場合は、サイフォン本体を一度洗ってから、使うようにしましょう。
淹れたい杯数分のお湯を、フラスコに入れて準備しておきます。
この際、コーヒー粉がお湯を吸ってしまう分も考慮して、2割増しにしておくと良いでしょう。
ろ過器のチェーン部分が下になるように、ロートの底にセットします。
チェーンの先にフックがあるので、引っ張ってロートの先端に引っかけてください。
ろ過器が固定できたら、竹べらを使ってロート内のろ過器の位置を中央に合わせましょう。
ろ過器のセットが完了後、ロートにコーヒー粉を入れてフラスコにセットします。
この際、完全に差し込んでしまうのではなく、浮かせた状態でセットするのがポイントです。
セットが完了したら、アルコールランプに火をつけてお湯を温めます。
フラスコ内のお湯が、ろ過器の鎖を伝ってポコポコと気泡が出てきたら、ロートをフラスコに差し込んでください。
お湯がロート内に上がってきたら、竹べらを使ってコーヒー粉をお湯に湿らせます。
その後、竹べらを前後に動かして、コーヒー粉がしっかり上下に動くように撹拌させましょう。
撹拌が終わったら、1分にセットしたタイマーをスタートしてそのまま待ちます。
上記写真のように「コーヒー液、粉、泡」の3層ができていれば、撹拌が上手くできた証拠です。
1分経ったらアルコールランプを外して、円を描くように2〜3回グルグルと軽めの撹拌を行います。
2回目の撹拌は、フラスコ内にコーヒー液が早く落ちるように渦を作るためなので、かき混ぜすぎないように注意しましょう。
上手く抽出できると、上記写真のように真ん中がドーム状になります。
コーヒー液が落ちきったら、完成です。
HARIO公式サイトでも、淹れ方に関する動画が公開されています。ぜひ、ご参考ください。
3.サイフォン式コーヒー・洗い方
ロートを外したら、コーヒー粉をゴミ箱に捨てましょう。軽く叩けばポロポロと落ちるはずです。
その後、ろ過器を外して付着しているコーヒー粉をしっかりと落とします。
洗剤の匂いが移ってしまうため、流水で丁寧に洗い流すのがポイントです。
フラスコとロートは、洗剤を使って洗っても問題ありません。
フラスコは、スタンドに逆さまにして取り付ければ乾きやすいです。
HARIOコーヒーサイフォン|ろ過器(ネルフィルター)の保存方法
洗い終わったろ過器(ネルフィルター)は、水の入ったタッパーに浸けて、冷蔵庫で保管しましょう。
浸けてる水は、朝・昼・晩と交換できるのがベストですが、一日置きでも問題ありません。
使用頻度が少なければ、冷凍庫保存もアリ!
使用頻度が少ないのであれば、ジップロックに入れて冷凍庫で保存がおすすめです。
冷凍庫に保管する場合は、ネルを洗った後、水気をよく切ってから袋に入れて保管しましょう。
ろ過器ネルフィルターの交換頻度はどれくらい?
サイフォン用ネルフィルターの交換頻度に関しては、1ヶ月から2ヶ月くらいと幅広い意見があります。
主によく見かける目安は以下のとおりです。
- 抽出液の落ちる速さが低下したとき
- 30〜50回くらい使ったら交換
- 苦味や渋味が出てきたら交換
使用頻度によってだいぶ異なるため、回数や抽出速度、味わいの変化を目安に交換しましょう。
HARIOコーヒーサイフォン テクニカの手入れは面倒?
「サイフォンって、ドリップコーヒーに比べると手入れが面倒くさいんだよね」
こういった声をよく耳にしますが、筆者が実際に使って感じた評価は以下のとおりです。
順番に説明します。
使い心地:コーヒーが出来上がるのはあっという間!
ドリップコーヒーの場合、コーヒー粉の様子を伺いながら数回に分けてお湯を注ぎます。
淹れ方によって味わいが変化しやすく、毎回安定して抽出するのは結構難しいです。
対するサイフォンは、1回目の撹拌から1分放置するだけで、美味しいコーヒーが作れます。
ニワっち
味わい:すっきりしてるから何杯でも飲める!
サイフォンで淹れたコーヒーは、出来上がる温度こそ熱いですが、その分香り高いコーヒーを楽しめます。
さらに適温まで下がると、すっきりとしたコーヒー本来の味わいを堪能できます。
口当たりの良さを求めている人には、相性の良い抽出方法ではないでしょうか。
手入れ:洗い物や管理が苦手な人には不向きか?
サイフォンは洗う器具の数が多いので、洗い物が嫌いな人にとっては不向きです。
とくに面倒と言われているのは、ネルろ過器フィルターの取り扱いではないでしょうか。
ニワっち
冷凍庫に保管すれば多少は管理が楽になりますが、再度使う際には「器具を組み立てて、ネルを解凍して…」といったように、作業工程が多くなります。
これらの手間に時間をかけられるという人でなければ、付き合っていけないかもしれないですね。
【補足】別売りのペーパーフィルターにすれば多少手間は減らせる
少しでも管理の手間を減らしたい人には、別売りのペーパーフィルター専用ろ過器がおすすめです。
口コミを見る限り、「手間が減った・使いやすくなった」という声が多く挙げられています。
ただし、ネルフィルター特有のコーヒーオイルは抽出されなくなるため、味わいは多少異なるでしょう。
気になる人は、ペーパーフィルターを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:サイフォンは見た目も味わいもじっくりと楽しみたい人におすすめ!
今回は、HARIOコーヒーサイフォン テクニカの使い方や、洗い方について、使い心地なども踏まえて紹介しました。
サイフォンは、器具の手入れやろ過器の管理といった手間が付きものです。
しかし、サイフォンにしか出せないコーヒーの味わい、楽しみは間違いなく体感できます。
美味しいコーヒーを淹れる手間すらもじっくりと楽しみたいという人は、ぜひ挑戦してみてください。
本記事が、少しでも参考になれば幸いです。